第1設計提案@東京

photograph©ShuheiNEZU

Architectural model: 光嶋裕介建築設計事務所


2016/9/28 目黒駅から徒歩5分。高層マンション14階にある光嶋裕介建築設計の東京事務所に初めてやってきました。


中川村に移住する5年前まで、そこから直ぐ近く、かむろ坂沿いのアーストレーニングセンターで初動負荷トレーニングに週に何度も通っていました。光嶋裕介とはニアミスしていましたね。友人が乗っていたバスが故障で私の住む家の前で停まってしまったので、重要な人を紹介して貰えた経験とか、昔飼っていた犬が唯一泳いだ川が天竜川で、いま私はそのほとりに住んでいるという場所性というのをなんとなく感じるのです。偶然ではない人の動きなのですかね。


前夜のライブに来てくれたにスタッフのツッチーと光嶋裕介が事務所で出迎えてくれました。うちも妻と娘の3人のフルメンバーで打ち合わせ参加です。模型と本で溢れかえるそのスペースは男、光嶋裕介を感じる空間です。


兵庫県六甲の土壁の家、如風庵の完成1/50の迫力ある模型をはじめ、完成に至るまでの物語を語れる小さな模型達が順序よく棚に並んでいました。根津家のプロジェクトも段々とこうなりますよ!と熱々と説明してくれました。


前置きからアクセル全開の多弁さで熱く言葉が飛び出してきました。建築とそこに住まう人への熱い想いがヒシヒシと感じられます。早速、第一提案であるA.B.Cの3パターン紹介してくれました。(3ヶ月前の1stコンタクトで、我々の希望を箇条書きでもいいから送ってくれと言われたはずが、宿題を提出せずにこの日になっていました)平面図、立面図の見方から丁寧に説明してくれ、ツッチーによるCGは我が敷地の実際の写真と合成され、1/200?の模型の紹介です。バーバパパを読み慣れている私は図面でも立体感を持って感じられる気がしますが、地図の読めない女性は図面も上手く読めないみたいです。そんな事を見越して模型を用意してくれるのでしょう。


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Architectural model: 光嶋裕介建築設計事務所


左から右へツッチー、A案、B案、C案、光嶋裕介です。娘にどれがいいか聞いて、何か意外な答えが返ってきたみたいでウケています。


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Architectural model: 光嶋裕介建築設計事務所


打ち合わせに3歳児を同席させることはなかなか大変なことでした。2〜3時間に及ぶ打ち合わせ話に娘はずっと付き合ってられないので、他で遊びたかったり、当然グズったりしました。そんな中でも彼らは嫌な顔一つせず、建築の魅力を、まるでレゴの完成品を見せるかの様に娘にアピールしてくれました。活き活きと好きな仕事をしている大人の姿を目の当たりに出来るって幸せなことですね。ありがとうございます。娘にとっては貴重な時期に家が建たっていく様を体験していくことになるでしょう。家つくりのメンバ一の一員として娘の意見も聞き、取り入れながら、最終的には家の一部を一緒に作っていきたいですね。大きくなったら建築家になりたいというかも知れません。(今は大きくなったらプリキュアのマカロンになると言っています)


3つのプランを私の今の解釈で説明したいと思います。打ち合わせで初めて見たときの印象もあれば、その後の情報を基に理解しているつもりの事柄もあります。とりあえず私なりに説明させてください。


A案

スキージャンプのアプローチに見える屋根。クレパス要注意の穴は既に生えている樹の為に存在。極力、樹を伐ることなく自然へのダメージに配慮した究極の方法。アアルトのサマーコテージを彷彿とさせるファイヤープレイスがドン。二階の壁、屋根はカーブしていることにより、室内では場所によって多様な空間を感じられる。カーブした屋根など、施工技術や予算も高そうなプラン。


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Architectural model: 光嶋裕介建築設計事務所


B案
羽ばたくかのような屋根。大開放口は屋根間際までガラスでキッチンから景色がドカンと開ける(東側向き) 30㎡のデッキにはしっかりと屋根がかかり、外で過ごす長い時間を想像できる。シンメトリーにセンターリビングと両手プライベート室が配置される。エントランス、キッチンは土間仕上げ。 

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Architectural model: 光嶋裕介建築設計事務所


C案

角度が急な屋根は積雪を考慮した訳でなく、壁と屋根が一体型の稲のハザ掛け構造となっている。コストパフォーマンス高い。将来的に同じスパンで増築可能。二階建てだが二階の壁は左右圧迫してきて使えるボリュームは少ない。コストパフォーマンスはA,B,Cの中で優秀賞かと想像できる。


photograph©ShuheiNEZU  

Architectural model: 光嶋裕介建築設計事務所


この3つの提案を受けたその瞬間は自分の感情さえ解らず、なんと答えたらいいか分からない状態でした。自分たちのために考えられた設計案を見るという初めての経験。実感が湧かないというか、思考停止状態になったのか、、、。建築家はそれを見越していたのか、打ち合わせ終了時間がギリギリだったからか、我々からのフィードバックは後日教えてくださいということで、その日は近所のおすすめカレーうどんを食べてお別れしました。


その後、裕介は画廊で在廊。我々は事務所スタッフのツッチーを車に乗せて四人で中川村へ帰るのでした。ツッチーは現地敷地を視察、我々家族の暮らしぶりと考え方を数日の泊まり込みで調査です?!

タタッタラ

家が建っていく様を綴らねばならないという使命感を基にした記録。

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