DLD田中さん、 Brunner「蓄熱式暖炉」
薪ストーブ屋巡りは最終章へ近づいてきました。我が家にとっての理想の薪ストーブ探訪で、フィンランドの知人が大きなヒントをくれたので加速度はアップしました。キーワードは「ソープストーン=蓄熱帯」「建造物かのような大きな存在」「火を見るための大きくキレイな窓」「珍しさ」「真っ黒じゃない色」好みのポイントが明らかになってきました。
選択肢の一つにロシアの暖炉「ペチカ」もありました。伊那の有賀製材所(製材所+工務店)に連絡していましたが、なかなかタイミング合わずにまだ行けていません。中川村内では有名な話ですが、友人宅がペチカを導入していて、見て触らせて貰いました。耐熱レンガの集合体!ナチュラル耐熱レンガを組んだ、ごっつい作りの暖かいやつです。一度温まると暖かさの持続力はかなり期待できるそうです。寝る時に薪を入れておけば、それまでの蓄熱力によって一晩では部屋が冷えきる事はないようです。ただ、火を入れてから暖まるまで時間がかかるとの事で、数日家を空けてから帰宅後は寒さが辛いとのこと。瞬発力はありませんが、そこには固執しません。それよりも、火を見る窓がもっと大きければなーと感じるのです。これは中川村の有名チェコ人が作る「イエルカ ストーブ」にも感じることで、窓が小さいところが我が家のキーワードから外れてしまうのです。とにかく火を見たいみたいです。なぜか?!テレビは見たくないけど火は見たいのです。
2017/3/19 Tulikiviは最低200万もする話なので予算オーバーでどうしようも無さそうですが、「ソープストーン=蓄熱帯」繋がりで、石鹸石を使ったボディが特徴的なハーフストーン社のストーブを取り扱っている伊那の薪ストーブ屋、ノースフィールドに行きました。普通の薪ストーブ+ソープストーンの外仕上。これもいいけど、ググッと心を掴むものはありませんでした。
伊那まで来たので、高遠のDLDへ。色んなメディア記事で認知しています。薪宅配サービスをLPガスのように、不足分を補充していくシステムを作りだしたDLDは有名ですが、訪れるのは初めての事。(日本一の薪ストーブ屋さん、失礼していました。)
アポなしで来たので、スタッフは別の家族に接客中でした。倉庫の様なボリュームがある広々店内をぐるっと回って見ます。上と同じ様な鋳物+ソープストーンのストーブもありました。9割方は黒いよく見るストーブです。ただ一つだけ不思議なストーブがありました。ストーブの壁面の内、対面する二枚の面がガラスの作りで火越しに向こう側が抜けて見えるのです。これは何だ?!
しばらくすると、担当の方が小走りに近付いて来てくれました。この人との出会いが決定付けとなります。先ずは、決まってホヤホヤの基本設計図面を、DLDの田中さんに見せました。じっくりと見て、最初に言った言葉を忘れません。「奥さん、キッチンからお子さんと火の両方が見える位置で素晴らしいですね」今までもストーブ屋さんで図面を見てもらっていましたが、こんな事を言う人はいませんでした。田中さんは、図面の中に身を入れて、ユーザー目線、主婦目線で感じた一言を発したのです。この人は面白いな!という第一印象。「この家の顔になる様な存在感のあるストーブがいいでしょうね」さすが!どんどんと引き込まれていきます。敷地の話、建築家の話、設計の話をしていたら「光嶋裕介-内田樹」の名前に田中さんは反応しました。内田さん好きな読者、内田タツラーを発見です。田中さんとしても、ピンと来たものがあったのかもしれません。
「フィンランドの友人から勧められたストーブが理想なのですけど、断念せざるを得ないのです。」
と私が話すと、「それはどういうストーブですか?」と興味津々。スマホでTulikiviを見せると、田中さんは、「なるほど」と言って、足早に事務所からカタログを持ってきてくれました。客の要求を瞬時にキャッチして対応する田中さんへの印象は更に上がりました。
ジャジャーン!
いいじゃん、いいじゃん!(でも高そうじゃん)
普段はストーブ屋で興味なさそうなカミさんも食いついてきました。
DLDショールームにあったトンネル型のストーブは正にこれでした。ドイツBrunner社の製品です。(うさこの絵本はディック ブルーナ Dick Bruna スペルが全然違います)DLDのメイン扱い製品である鋳物ストーブのIRONDOGはこのBrunner社の製品ラインナップの一つです。田中さんが見せてくれたカタログのストーブは日本では未だ導入事例がなく、ショールームの一品はテスト品でした。
カタログ別ページ。外壁はALC(軽量気泡コンクリート (autoclaved lightweight aerated concrete)) マンションの廊下や外壁などに使われる無機質・不燃の建材とのことです。
しかも、塗れる!塗っている!ストーブ選びテーマの一つである「色」もクリアです。光嶋裕介画家に「描いて」もらったら素晴らしく、ストーブの値段みたいに高くつくけど、「塗って」もらうのはどうだろうか?!なんて、浅はかな野望を抱きました。
「蓄熱帯」という点では、燃焼室上部にあるバームクーヘン状の筒がそれなのです。日本仕様としての地震対策で鉄で補強をしていることが分かります。
遂に出会いました!これだ、これしかない!と強く思えたのです。
上の写真は、後日、光嶋裕介とDLD社長を早速引き合わせた時です。Brunnerの蓄熱性のあるモダンなストーブが日本に初上陸、それが光嶋裕介建築とコラボするというのは話題性を生むでしょうし、みんなハッピーになるなと踏んだのです!
あれから10ヶ月経った今、「蓄熱式暖炉」BrunnerのBSOという名前で情報が沢山出てきています。我が家でもBrunnerのストーブ導入工事真近!
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